『からだ中が痛む』の施術
湿度が高くなる時期になると多くなるのが『体中の関節が痛む』というお悩みの患者さんです。5月の終盤の雨の多くなる時期から9月の終盤の秋雨の時期まで続くでしょうか?
今回の患者さんは日本各地に大雨で被害の出た日の翌日にご来院されました。
『56歳 男性 建設会社経営』
ご来院時、受付さんが色々とお話を聞いてくれているときは
『そんなに酷くないけど、ケアをしておかないといけなから』
ということをお話されておられました。
そして、ベットに入っていただいてお体の検査をさせていただくときに体の動作確認をさせていただくと
『立ち座りもできない状態』
です。
検査方法を変えて、座位で膝を確認すると両膝の上部内側部が腫れて『ブヨブヨ状態』、両肩は外転70度程度しか上げられない状態でした。しかも手をつくと手首が痛むようで体を支えることもできません。
気付いた方もおられると思いますがご本人は自分の体が大変なことになっていることに
『気づいていない』
のです。
『鈍い』という言葉で片づけることは簡単ですがこの『気づかない』『認識できない』ところに大きな問題があるんですね。
最終的には関節の諸症状を取りながら治療を進めることが必要なのですが認識できないことを分析する必要があります。
ここでも同様に病状の五行分類をすると
①関節の痛み → 脾土・胃(体重節痛)
②ブヨブヨ → 脾土・胃(代謝)
③認識できない → 心火・小腸(感覚)
証;脾虚肝実
取穴;大都、労宮、太衝、行間、陽舗、解谿、支溝
取穴の考え方としては
『認識できない』は感覚機能が損なわている状態を表します。また、関節の痛みは脾土を表すので脾虚とします。痛みの軽減のために丁寧に邪の処理をすることが大切ですので脈状を診ながら最終的に以上のような取穴になりました。
結果
初回の施術では立ち座りはスムーズになりましたが本人の認識はほとんどありませんでした。笑
4回目の施術時にやっと
『痛みはマシになったけど、先生、体がだるくてやる気が出ない』
と、少し、まともな返答をしていただけるようになりました。
少し、長いお付き合いになると思いますが気に入ってもらえて良かったと思います。