『背部痛が取れない』という訴えには少々、チェックが必要です。いくつか挙げてみると
①胆石、胆のう炎
②膵炎
③十二指腸潰瘍
④肝機能障害
⑤胃炎、胃潰瘍
⑥圧迫骨折、骨髄のガン
などが隠れているかもしれない考えて、取り組んでいくことが大切です。
①の胆石、胆のう炎は特に急激に寒くなる時期、気温の変化が激しい時期、冷房を使いだす時期に多くなります。
今回は54歳男性で建築関係の方の背部痛の施術例をご紹介させていただきます。
数年前から時々、左背部(中ほどから上部)に痛みを感じる。X-P、MRI画像は特に大きな異常はないとのこと。エコー検査で胆石(2.5㎝)と胆砂を指摘されたそうです。飲酒は毎日、食事もよく食べる方とのことでした。
望診;右背部(TH7~10)膨隆
脈診;沈、遅、虚
証;肺虚肝実
評価;胆石が時々、暴れることからくる背部痛と思われます。胆石や胆のう炎の反応は左背部第9-10胸椎と左頸椎3-4、心窩部の圧痛の3つを確認することで予想できます。
取穴;太淵、太白、太衝、陰陵泉、足三里、曲池
その場で痛みを取る場合は背部のTH11~L2くらいの間(多くは右)に緊張がみられますので深さ12(右寸口脈の4倍)で抜き差しを抵抗がなくなるまで行います。はじめは感覚が取れないかもしれませんが何例か繰り返せば、掴めてくると思います。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。