『過敏性腸症候群』の施術
最近、当院には胃腸のお悩みによるご相談が増えています。
今年は猛暑が続きましたのでもともと、お腹が弱いことに加えて、お腹を冷やした方が多いことが原因と思われます。
その中でも深刻なのが『過敏性腸症候群』のお悩みを抱えておられる方でお腹の痛みや下痢、ガスが溜まるなどのご症状が長く続くと『不安症』になり、ついには家から出ることもままならない方が少なくありません。
日本人の7%しか受けたことがない鍼灸院への問い合わせを決断されるくらいですからそれなりに苦しんで来た方が相談に来られますのでしっかりと対応したいものです。
今回、ご紹介させていただく方は
『電車に乗っているといつお腹が痛みだすか不安』
という、奈良県の35歳の女性です。
お腹のお悩みの他にもアトピー性皮膚炎やのどの違和感と痛みを訴えておられました。
皮膚の状態も硬くて、ゴツゴツして黒くなり、かなり気になされている方でした。肩や首のコリもあり、寝付けない状態が続いているともお話されていました。
脈状は『沈・数・虚』
証は『肝虚肺実』
腹診をすると『表面はパンパン』でした。
肺金大腸の症状が主ですので見た目やご本人の訴えはきついのですが、お腹の痛みや問題は比較的、早い段階で取れるだろうと予測しました。
まず、曲泉と陰谷に補法を行うとお腹の表面が緩んだのでしっかりと触診すると『腸にガスが溜まっている状態』が伺えました。
腸が硬くなり『棒状に触れる』ことができます。
更に陰陵泉と尺沢に瀉法を行うことで『ゴロゴロ』と音が鳴り始めたのでこのお腹の痛みや張りは『ガスが停滞した状態』ということを確信できます。
更に侠谿、内庭、二間に瀉法を行い、それぞれに対応した背部兪穴に処置を加えました。
お腹がフワフワしたことを受けて、ご本人はホッとされていましたがご自身の体でこの状態をキープ出来るようになるには少し、時間がかかると思われます。
お腹のご症状の場合はお腹にやさしい食べ物よりも負担がかかる食べ物をまずは食べないことをお伝えする必要があります。
この方の場合は小麦でした。
初回もしくは早い段階でお腹に負担のかかる食材の選定をしてあげることが大切です。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。