産前・産後のケアでなくても『手首と足首』はとても重要視する必要があります。
最近の妊婦さんには少なくない症状の一つですがとても厄介ですので必ず、覚えておいていただきたいご症状です。
【妊娠中・産後の手首の痛み】
手首には『心』の状態が表れます。
それゆえにしっかりとした診断と治療を必要とします。
手首のどの部分に痛みや腫れがあるかが問題になります。
尺側;心実(腎虚)
撓側;肺実(肝虚)
中心;脾虚もしくは脾実
証と治療方針としてはこれを覚えておけば対応可能です。
マル覚えで大丈夫です。
一番大切なことは『むくみ』が最大の原因であることを知っておくことです。
妊婦さんの中にはむくんでいることが表面からは解らない方がたくさんおられます。
すでに妊娠中毒症状『尿の出が悪い』などの状態の方もおられます。
妊娠後期の方で手首や足首の痛みを訴える方には特に注意を払う必要があります。
そのむくみですが上記の証を解説しておきます。
腎虚心実
昔はこのタイプが最も多かったのです。
腎の気を消耗することで心の熱を処理できない状態にあります。
尿タンパクが下りたり、皮下にかなりのむくみを観察することができます。
養生としては特に『冷え』を注意します。
糖分を控えていただくようにします。
肝虚肺実
現代人に最も多いタイプです。
簡単に言うと『酸素不足』です。
花粉症や副鼻腔炎、喘息など呼吸器疾患をお持ちの方が多いです。
隠れむくみの場合もありますのしっかりと診察する必要があります。
養生は食物繊維が足りない方がほとんどです。『衛気』の不足です。
精製食品(小麦粉)は厳禁です。
産前つわりなどを起こす方もこのタイプの方です。
脾虚・脾実
オーソドックスな妊娠中のご症状です。
三陰交や陰陵泉にお灸をしてもいいです。せんねん灸でもOKです。
自然の甘味、夏なら果物、冬ならドライフルーツやサツマイモ、栗などを食します。