『円形脱毛症』の施術①
鍼灸院には昔から『円形脱毛症』の方からのご相談が少なくありません。時に『全頭脱毛』に発展する方もありますので本来なら早期に取り組むべきご症状の一つです。
基本的な考え方としては髪の毛は『血の余り』として、捉えられていますので
『血液に対する何らかの影響が及んでいる』
ことを念頭において、脈や皮膚、舌の状態を診る必要があります。
また、生活習慣もかなり影響が大きいのでしっかりと聞き取らないといけないところです。
特に『食と睡眠』は血に大きく関わるところです。
『ストレス』の影響を重んじる方が多いですが中心となる原因としてしまうと解決の糸口が閉ざされてしまうことが多いので傾聴は大切ですがその他の原因をしっかりと見極めるようにしてください。
今回は『26歳 女性 会社員 既婚』の方で円形脱毛症3回目という方の症例をご紹介させていただきます。
脱毛部位は
『頭頂右に4㎝大』『左側頭部に3㎝大』『1㎝大が数か所』
確認しました。
事務や営業をしている方ですが特にストレスを感じるようなこともなく、ご自身ではのんびり生活しているとのことでした。
就寝時間は11時30分頃で朝は7時に起床するとのことです。
皮膚科に通院中とのことで血液検査の結果から主治医には
『栄養不足』と言われているとのことでした。
血液検査データを拝見しましたがほぼ基準値内で
『MCV 86』『総タンパク 5.0』
の結果でした。
気になるのは
『GOT 18』『GPT 8』
の項目でしょうか?
食生活も朝はパン食ですが昼はお弁当を持参され、夜も7時頃には食べているとのことで指摘するようなことはない状態です。
脈状;沈・数・虚
証;腎虚
取穴;復溜、経渠、飛陽、温溜、梁丘
お体の状態は『むくみ』が目立ちました。ご本人は太っているとのことでしたがかなりのむくみが確認できます。
簡単に言うと毛穴がむくみによって、弱くなり、毛根が毛を保持できない状態なのです。
結果
平成31年1月から令和元年5月末まで要しましたが完全に脱毛部位は消失しました。
3回目ということもありますし、これから妊娠もあると思いますので食性生活についてはかなり深くお伝えさせていただきました。
内容としては
『造血に向けての動物性、植物性のタンパク質や鉄分を意識して摂ること』
『精製小麦・乳製品は基本的には避ける』
ことが主な内容になります。
妊娠や出産によって、全頭脱毛に移行する方もおられますので食に関しては詳しい説明が必要です。