『胸の痛み』の施術
胸が痛むにも色々なタイプがあります。季肋部の痛みや胸骨の痛み、鎖骨窩が痛み方もありますし、側胸部が痛む方もおられます。
今回は寒くなる時期に多い『心窩部や右季肋部の痛み』の症例をご紹介してまいります。
なぜ、心窩部や右季肋部が寒い時期にやられるのかというと
『胆経』
が関係するからです。
胆経は体の側面を走行するので『冷え(温度)に対するセンサー』の役割を担っています。
冷えも体にとっては外邪ですから体が影響を受けると『肝木胆』が発動して、毛穴を閉じて、寒さから身を守ろうとします。
この時に胆汁がスムーズに流れていないと肝臓は思うように働けないのです。現代人の生活習慣から肝臓内に胆汁が停滞していることが多いことが原因です。
冷えは冷房の影響で真夏にも関係します。右季肋部の痛みは真夏にも多いのです。
昨今、胸の痛みのご相談で最も多いのはこのパターンですので是非、覚えておいてください。
ここで心窩部や右季肋部の痛みが『胆経』と関係しているかどうかを確認する診断方法をお伝えしておきます。
ポイントとしては
①発熱がない
②左背部第8~10肋骨あたりの筋肉の原局した圧痛
③左第4-5頸椎側の圧痛
この3点に圧痛や硬結が確認できれば胆経が関係していると断定できます。
証としては
『肺虚肝実』『肝虚肺実』『肝虚脾実』
などになります。
ときに『腎虚心実』の場合もありますが少し、進行した状態ですので注意が必要です。
また、陽経の邪を丁寧に取りながらさらに補うことも大切です。
本証は陽気が損傷または足りないことが原因で起こるのでここが解決へのポイントになります。
昨今、多いご症状ですので覚えておきましょう。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。